散らばった夜を、一枚の地図に

盛岡のパーティーは、その多くがInstagramのストーリーズの中だけで生まれて、24時間で消えていく。どれだけ良いDJが回っていても、どれだけ熱いライブがあっても、知らなければ「無かった」のと同じだ。その“知らなかった”を、この街から少しでも減らしたくて、このガイドを作った。
東京や仙台に比べれば、盛岡の箱は決して多くない。それでも、SICKthを満たす低音も、cratesで交わす一杯も、MOTHERで迎える朝も、ここにしかない温度を持っている。数が少ないからこそ、一晩の濃さは何処にも負けていない。地方の夜には、地方の夜のかっこよさがある。
スマホで何でも聴ける時代に、わざわざ街へ出て、知らない誰かと同じ音で揺れる意味。それはたぶん、画面の外側でしか起こらないことが、確かにあるから。同じ曲でも、あのサウンドシステムで、あの照明の下で、隣で踊る誰かと聴く一回は、二度と同じ形では戻ってこない。
このマガジンは、カレンダーやマップの「予定」では伝えきれない部分——なぜこの街の夜が面白いのか、どんな人たちが鳴らしているのか、はじめてでもどう楽しめばいいのか——を、ゆっくり言葉にしていく場所にしたい。次にフロアを沸かせる主役は、もしかしたらこれを読んでいるあなたかもしれない。
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